華山虎×或 コラボ作品
コトサマ
2023年3月制作
素材:和紙、胡粉、アクリル、布、金属
華山虎が面を、或氏が装飾を担当した作品。
異形・不具として生まれた障害のある子供は忌み嫌われたのか、聖なるものとして祀られたのか。疑問に思ったときから制作が始まった。
手塚治虫の『どろろ』では、鬼神に肉体のことごとくを奪われ、不具の子として川に流していた。映画『犬王』では異形として生まれた子には仮面や子供用の布地で体が見えないように装いを施し、かつ軟禁することによって外界との交わりを断っていた。
これらは現代人が作った物語ではあるが、歴史の中でも挙げられる事実がある。
例えば、『古事記』の国産みの章では、イザナギ・イザナミの第一子(水蛭子)が不具の子であったため葦舟に載せて流したという有名な一節がある。第二子(淡島)も同様に不具であったとされており、この二神はイザナギ・イザナミの子供に数えられていない。
徳川綱吉の時代には『生類憐れみの令』を筆頭に、『捨子禁令』、『棄児禁止の布令』などの捨子・子殺しの禁止令が複数発令されるほどの状況であったことが明らかになっている。
一方で、“福子伝承”と呼ばれる、障害のある子供を聖なるものとして大切に育てるべきという伝承も近畿地方を中心にある(とされている)。
先に語った水蛭子も、巡って七福神の恵比寿(=蛭子)となったという伝説も日本各地に残っている。
現代ではいかなる場合でも人を殺めてはいけないし、中世日本と比較して高い倫理観であるが、「通常の形態と異なる他人」に対する感じ方は変わらないのではないか?
その感覚に気づいた瞬間の恐ろしさをこの仮面に込めた。
本作は狐面ではなく、人面である。
販売価格:110,000円
※展示での販売価格とは異なります。
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本記事において、現代の意識では不適切と判断しうる表現がありますが、ある表現が蔑視的・差別的であるかどうかは、語句そのものの使用に依らず、具体的な文脈に即して読まれる必要があると考えます。
ご理解いただけますと幸いです。
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