2018年2月制作。
はこだて・冬・アート展 優秀賞受賞作品。
焔狐明王および糸掛け曼荼羅式二重輪光背である。
本作のテーマは「制作に対する不変の衝動」。
最初の作品と同じく狐面をモチーフとしたことで初期衝動を、
多眼や牙上牙出など悪を調伏する金剛夜叉明王の要素を取り入れることで、
他人や周囲の影響を受けない意思を表している。
和紙に胡粉、アクリル絵具。牙は石粉粘土、飾り紐も自作。
展示架台は木に和紙、釘、糸。
金剛夜叉明王眼が5つある。
金剛界と胎蔵界見る目がそれぞれ2つ、第5の目はすべてを見通す目。
本作に第5の目は無いが、それによって自身の未熟さを隠喩している。
仏像には光背という後光を表す部位が付随することが多い。
本作もそれに倣い、展示用架台を光背と呼べるまでに昇華した。
これは糸掛け曼荼羅という技法を用いている。
円周上に釘を128本打ち、素数順に糸をかけてゆくと、すべての釘を通って一周する。
一色ごとに一周。つまり円形の部分には糸が7本しか使われていない。
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