翁骸面 恵良伎(ゑらき)
2023年12月制作。
面は和紙に胡粉、髭はサイザル麻。
ダンサーさんからオーダーで制作。
「翁と髑髏の意匠」という注文に基づきデザインした。
長寿を司る翁と死を司る髑髏は一見背反する要素に思えるが、長寿が最も死に近いのは事実ではないだろうか。
絵付けは踊りの神である天鈿女命をメインに、対になる手力雄命を施した。
天照大御神が天岩戸に隠れた日本神話の一節である。
頭頂部の黒い模様は、翁面にある冠型を彫物風に図式化したもの。
二柱の神にも彫物が施されている。
天鈿女命は日本神話にて
『天鈿女命は日蔭鬘(ひかげかずら)を襷にかけ、真拆葛(まさきかずら)を髪飾りにして、笹の葉を束ねて手に持ち』
と記述されており、それに則った絵にしている。
一方で、手力雄命の衣装については記述がない。
「天照大御神が岩戸に隠れたことで昼でも暗くなった」というのを皆既日蝕と解釈すると、古事記成立以前の日蝕は2世紀中頃にあったと計算できることから、手力雄命の衣装は弥生時代末期を想定してデザインしている。
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